interview

女性だから〜でしょと言われても、「私はそうです/違います」と答えるだけ。その時の自分の気持ち、ありのままで生きていく。

みづき
フリーランス
2024.11.1
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みづき

1994年、石川県生まれ。大学卒業後、大手紳士服企業に勤めながらデザインの専門学校に通い、2020年にフリーランスへ転向。デザインやディレクション、企画など、肩書きをさだめずに働いている。2020年にさだまらないオバケというプロジェクトを立ち上げ、死のリデザインをテーマに活動。2023年にグッドデザイン賞を受賞。

ゆらぎのグラフ

振る舞ってきた性
性自認
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  1. フリフリやピンクなど「THE 女の子」みたいなものは嫌だった。その一方でモーニング娘。さんやおジャ魔女どれみなどの女児向けアニメも好きだったり、ポケモンやデジモンも好きで、「定まっていない」幼少期

  2. おしゃれに目覚めたギャル全盛期。mixiで異性から連絡が来たり、異性の先輩に憧れを感じたこともあったが恋愛にはあまり興味はなく、部活や友達の関係を謳歌していた。

  3. 女子大に入学し、その中の男役ポジションのようなものになる。今までは見た目に関して周りと同じような格好はせず個性を出したいと思っていたが、一方で恋愛にも興味が出始め、異性の目を意識したファッションを試み始める。

  4. 「THE 女の子」を嫌った幼少期から、異性との接点で見えてきた自分の振るまう性。今から思う「女性」という性別とは、「ラベリングとは」

  1. フリフリやピンクなど「THE 女の子」みたいなものは嫌だった。その一方でモーニング娘。さんやおジャ魔女どれみなどの女児向けアニメも好きだったり、ポケモンやデジモンも好きで、「定まっていない」幼少期

  2. おしゃれに目覚めたギャル全盛期。mixiで異性から連絡が来たり、異性の先輩に憧れを感じたこともあったが恋愛にはあまり興味はなく、部活や友達の関係を謳歌していた。

  3. 女子大に入学し、その中の男役ポジションのようなものになる。今までは見た目に関して周りと同じような格好はせず個性を出したいと思っていたが、一方で恋愛にも興味が出始め、異性の目を意識したファッションを試み始める。

  4. 「THE 女の子」を嫌った幼少期から、異性との接点で見えてきた自分の振るまう性。今から思う「女性」という性別とは、「ラベリングとは」

INDEX
  1. 「女児向け」に抵抗したい幼少期
  2. おしゃれに興味を持ち始める思春期
  3. 異性を意識し、異性から見える自分に気がついた大学生時代
  4. 男女のゆらぎを経て、改めて今思う「性別」のこと
振る舞ってきた性
性自認

第3章 異性を意識し、異性から見える自分に気がついた大学生時代

大学生時代はまた少し変わっていますね。

高校の頃はギャル時代だったんですが、大学は振り幅が大きくて。それまでずっと髪が長かったんですが、なんとなくショートにしたんですよね。で、それが結構周りからも評判がよくて。ショートカットにするとそんなに女性らしくは見えないじゃないですか。バンドマンっぽくて、それが通っていた女子大の中でもウケて、女子クラスの中での男子役みたいなポジションになりました。意識して男っぽく振るまったわけではないですが、もともと女っぽい言動が少ないタイプなのでそのままでも周りに比べると男っぽく見えていたんだと思います。

バンドマンやそういった格好に憧れがあったのでしょうか?

いわゆる量産型女子大学生ってあったじゃないですか。そこに対抗したいという気持ちはあるかもしれないです。「周りと同じ」=「個性がない、アイデンティティがない」と言われている感じがするし、量産型という言葉自体が没個性的であることを象徴していて「自分がない人たち」というふうに揶揄されている言葉だと思うんです。 自分自身を大切にしているからこそ、自分の個性というものを大切にしたかったのかなと思います。コンプレックスがあるとすれば、特別な才能や特殊な環境下で育ったなどの与えられた個性はないので、自分で作れる個性として「見た目」で個性を表現することにこだわっていたのかも?

高校生の時も「周りとはちょっと違う私」みたいなものを出したい気持ちはずっと持っていたかもしれないですね。古着にもハマっていて、ダボッとした服装を着ていたんです。最初はボーイッシュな系統ばかり着ていたのですが、あるとき彼氏が欲しくなって、まずは男性に異性として見てもらうことが第一歩だなと思い、女性らしく可愛くなりたいという気持ちが出てきました。でもモテを意識した系統に完全にシフトはしておらず、自分の好きな個性を残しつつ女性らしさを感じる服装を探っていった感じでした。あと昔から母親に「女の子っぽい服装の方が似合う」と言われていたので、なんとなくそれに乗っかってみようと思ったのもあったかもしれません。 そんな中友達に「それじゃモテになっていない」と指摘され、そこからいわゆるモテそうな女子大生の格好みたいなものを少し意識するようになりました

思春期のときは多少なりとも「モテたい」という気持ちがある人が多いと思っているのですが、実際モテはじめて気持ちは変わりましたか?

その後初めて彼氏ができたんです。自分のことを可愛いねって言ってくれて、男性から女性として可愛いと言われたことが嬉しかったことも大きかったかもしれないです。ちょっと視野が広がった感じというか。「可愛いほうにいってみてもいいんじゃない?」みたいに思えて。今までは結局ずっと周りに女子しかいなくて、初めて異性から「女性的に見られる=男性目線の可愛い」みたいなものを意識したんだと思います。

異性に女性として意識してもらえたり、好意を寄せてもらえることは嬉しかったですし、優しくしてもらって女に生まれて良かったー!と思いました。また、就職先はスーツを扱う会社だったんですが、最初の職場は女性スタッフが私しかいなかったんです。新入社員で女性だったのもあって、同僚や上司もすごく優しくしてくれました。今まで「女が不利だ」とは思ったことがなかったのですが、たまたま周りに優しくしてもらっていたから「女だから嫌な思いをした」みたいなものを感じないで済んだんだなと思いました。

第4章 男女のゆらぎを経て、改めて今思う「性別」のこと

「女性として意識してもらう」ということを経験し、他者から見られる性に気がついたみづきさん。男女のゆらぎを経て、今感じることを伺いました。

性別によって生きるうえで有利になったり不利になったりすると思いますか?

その人が経験してきた事実によると思うので、不利だと感じる人がいるのは当然だなと思います。女性は普通に生活していても気をつけないといけないことが多くて大変だなと思いますが、男性は男性でまた違った大変さがあるので、どっちの性別が有利不利というのは結局ないと思っていて、人それぞれ「自分として生まれて良かった!」と思える人生を送れることが一番大事かなと思います。

最近では「さだまらないオバケ」というデザイングループにて死生観をテーマに活動しているみづきさんですが、死生観と関わっていく中で自分の考えが変わった面はありますか?また、性と死生観は関係がある場合も多いと思うのですが、みづきさんのご意見があれば伺いたいです

ちょっと違うかもしれませんが、女性は子供を産むときに死ぬリスクがあることを知って、簡単に考えられなくなりました。新しい命を産むことは素晴らしいことだけど、出産にあたり女性側にだけ大きなリスクがあるのは不公平だなあと思います。あと妊娠出産においては女性だけが身体的にいろんなもの(特にキャリアのこと)を諦めないといけないのも不公平な感じはします。ちょうど年齢的にもキャリアの伸び盛りであり妊娠出産を考える時期でもあるので悩みどころです。

まだまだ世の中には性別のラベリングがあると思いますが、それについて思うことはありますか?

そもそも自分があまりラベリングで人を見ておらず、普段から性別とか年齢とか肩書とかあんまり関係なく周りの人と付き合えてるかなと思います。自分へのラベリングに関しても、特に何も思わないのが正直なところです。女性だから〜でしょと言われても、「私はそうです/違います」と答えるだけなので。ただ、性別のラベリングで苦しんでいる人がいるのは事実だと思うので、その苦しみを否定することなく、気持ちを想像できる力とを持っておくことが私にできる思いやりかなと思います。

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